あれは30年近く前のことです。社会人1年目に終身保険に加入しました。当時はとりあえず社会人になったら保険に入るものという先入観を持っていました。何の合理的な根拠もありません。どこで刷り込まれたのでしょう?職場の上司や先輩だったのかもしれません。
今ではあり得ませんが、当時の職場には保険外交員の女性がお昼時になるとデスク脇まで入ってきて、気軽に声をかけてきたものでした。個人情報保護法なんてものはまだなかった時代です。で、おにぎりを何度もいただいたりして、断れなかったり…。GNP(義理・人情・プレゼント)営業ってやつですね。話を聞く約束をした時点で結果は決まったようなものです。
それ以来、毎月保険料を支払い続けてきました。30代に家庭を持ち、ようやく万が一に備える保険の価値を感じました。
そしてこの度、私に万が一のことがあっても家族が経済的に困るリスクは低くなったと判断し、終身保険を「払い済み」とすることにしました。死亡保障額は減りますが、十分です。
これで毎月約15,000円の保険料を支払う必要がなくなります。
また、外貨建ての変額保険の提案もいただいたものの、丁重にお断りしました。
●そもそも終身保険で万が一の事態には備えている。
●外貨ベースでの解約返戻金が払込金を上回るのに十数年かかる。
●相続のことはまだ検討する必要なし。
●保険料控除枠を埋める合理性も感じない。
●保険には強制貯蓄機能があるが、私は強制されなくても資産を築くために行動し続けることができる(はず)。
金融庁は最近「民間保険は公的保険を補完するものである」と発表しました。
www.fsa.go.jp
要するに、公的保険でもかなりのリスクはカバーされているのに、それを知らずに民間保険を過剰に契約している可能性を指摘しているようなものです。
その保険料を長期分散の証券投資に適切に回せば、日本人の老後資金はきちんと増やすことができるはずです。