資産所得倍増は、流行語大賞にノミネートされそうな気がしますが、いったいどんなプランになるのか想像したいと思います。
まず、資産所得の対象となる資産の定義についてです。
広義には預貯金、債券、投資信託、株式・ETF・J-REITへの投資によって得られる利息・配当・分配収入と値上がり益を資産所得と理解しています。
が、預貯金に滞留しているお金をNISAやiDeCoにシフトさせる仕組みを作ろうとしていますし、最も多くの人が取り組みやすいのは投資信託なので、狭義には、「個人金融資産に占める投資信託の比率を倍増」だと思います。
日銀発表の資金循環統計によると、個人金融資産約2,000兆円のうち、投資信託の残高比率は4.7%(残高は94兆円)ですから、倍なら9.4%がターゲットになります。
米国の同比率は13.2%です(「資金循環の日米欧比較(2021年8月)」より)から、非現実な話でもなさそうです。
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf
次に施策のゴールです。1960年の池田内閣で策定された所得倍増計画は、10年間で国民の所得を倍増させる目標を定め、見事に前倒しで達成しました。
投資信託の積み立てを前提とすると、やはり10年といったプランになるのでしょう。となると、2032年末がゴールの目安。
税制優遇制度が拡充され、投信積立を年間平均60万円(月に5万円)実行する方が来年から毎年新規に100万人ずつ10年間増え続けたら、
1年目:6,000億円
2年目:1.2兆円
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10年目:6兆円
積み立てる元本だけで合計33兆円になります。
これ以外に既存投資家による残高増加、そして運用によるリターンも加われば、投資信託の比率倍増は実現可能性のある目標に思えてきます。